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パニック障害について 患者さんおよびご家族の方へ

精神科・神経内科・もの忘れ外来 分野病院

パニック障害とは

どんな病気?

突然、激しい不安に襲われ、胸がドキドキしたり、息が苦しくなったり、めまいがしたりする発作を「パニック発作」といいます。このような発作が繰り返し起る病気です。100人中1~2人にみられます。

他の病気と間違われやすい病気です

動悸や息苦しさのため、心臓の病気(不整脈、狭心症)や呼吸器の病気(喘息、過換気症候群)などと思ってしまうことがあります。しかし、検査をしても異常が現れないのもこの病気の特徴の1つです。

なぜ、起こるの?

パニック障害は単に気のせいで起こるのではなく、脳内の神経伝達物質のバランスが乱れることによって起こると考えられています。

治りますか?

きちんと治療すれば治ります。
薬物療法と薬を使わない治療があります。

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症状は

パニック発作の主な症状

パニック発作時には、次のような症状が見られます。発作が繰り返して起こります。

発作をきっかけに不安が重なっていく

パニック発作が何回も起こると、「また発作が起こるのではないか」「外出先で発作が起きたらどうしよう」などという不安が強くなっていきます。そのために以前発作が起きた場所や、電車の中など発作が起きたときに逃げられないところを避けるようになります(回避行動)。そのために日常生活がスムーズに送れなくなります。ゆううつな気持ちがつづくこともあります。

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パニック障害と診断されたら

パニック障害は気のせいや、性格の問題ではなく、身体的に原因のある病気です。
治療によって治りますから、できるだけ早期に、そして適切な治療を続ける事が大切です。

パニック障害を乗りこえるために
1. 自分の病気をよく知る

自分の病気を知り、積極的に治療に取り組みましょう。

2. パニック発作を恐れないこと

パニック発作はとてもつらいものですが、決して死ぬことはありません。

3. 発作は必ず去ることを忘れずに

発作は数分で必ずおさまります。必要以上におそれないようにしましょう。

4. 医師の指示をしっかりと守りましょう

間違った判断で治療を中止すると、病気が長引いたり、再発につながります。

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治療は

まず、薬でパニック発作をコントロール

パニック発作を抑えるために、脳の神経伝達物質のアンバランスを調節する抗うつ薬が用いられます。新しいタイプの抗うつ薬としてSSRIという薬が登場しました。副作用が少ないため、よく用いられるようになりました。抗不安薬と呼ばれる薬が使われることもあります。

薬の効果はゆっくりと現れます

パニック障害の治療薬は、飲みはじめて数日してから効きはじめ、1~4週間するとはっきりと効果があらわれてきます。根気よく薬をつづけることが必要です。

パニック発作が起こらなくなったら

薬物療法により、パニック発作がもう起こらないことを実感したうえで、それまで避けていた状況や場所に徐々に挑戦してもらう治療(エキスポージャ-療法)を行います。

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Q&A

Q1
生活上、どのような点に注意すればいいですか?

A1
薬を飲んでいる間も、普通に日常生活を送ってください。ただし、カゼをひいたり、カフェイン飲料をとりすぎるとパニック発作が起きやすくなりますので注意しましょう。

Q2
患者への接し方で家族が気をつけることはありますか?

A2
パニック障害は気のせいで起こるのではなく身体的な病気であることを理解し、温かく見守ってあげることが大切です。パニック発作が起こったときは、そばにいて安心感を与えるようにしてあげてください。適切な治療によって治りますので、家族の方もあせらずじっくりとバックアップしましょう。

Q3
どのくらいの間、薬をのまなければならないのですか?

A3
すっかり症状がとれるのに、3~6カ月かかりますが、ここで薬をやめてしまうと、症状がぶりかえすことが多いので、さらに数カ月~1年間は飲みつづける必要があります。

Q4
パニック障害の薬にはどんな副作用がありますか?

A4
薬の種類によって、口が渇く、便秘する、吐き気がするなどの副作用があらわれることがあります。吐き気は、飲みはじめて数日たつとなくなります。いずれも症状は軽いのですが、心配な場合は先生に相談してください。

〈 引用文献 〉
金沢大学医学部付属病院 神経科 精神科 越野好文 監修
こころの診察『パニック障害について』患者さん およびご家族の方へ

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